今日は書籍「羊毛フェルトのアクセサリー」の発売日でした。
友人が書店巡りを企画してくれて、一緒に書店へ行ってくれました。
(あとで知ったのですが、友人はわざわざ書店に問い合わせてたくさん
入荷のあるお店を選んでいてくれたらしい)
そして、そこにはサプライズが仕掛けられていたのに、
そのサプライズに気づく余裕もなく黄色い本を探す私。
恥ずかしい...
あー余裕というものが欲しいと痛感したのでした。
初めて書籍の企画のお話をいただいたのは去年の夏。
当時自分にその準備が整っているとは思えなかったので
まさかと思いながらもこんなチャンスは二度とないといつもの楽観主義で
チャレンジした私。
それまでももし本を出すとしたら...と妄想はしていたので(妄想好き)
その時点での作りたい本のイメージはありました。
でも、その時に自分が作った資料を今改めて見ると、
なんだかきっとおしゃれな本を作りたかったのですね、私。
自分にない要素満載でちょっと恥ずかしい...
実際に本をつくることができることになって、
具体的に作品数を増やす時点になると、
なんせ自分の描くイメージが
”おしゃれ、素敵”という雲をつかむようなイメージなので、
どんなものを作ったらよいのか、どんなものが望まれるのか、
途中とても悩みました。
いつか本を手にとってくださるかもしれない顔の見えない不特定多数
の人に向かって「どんなものが作りたいですか〜?」と問うということは
暗闇にボールをなげるようなものでなんの答えも帰ってこず。
判らないながらも数だけは沢山作って臨んだ打ち合わせで
今回のお話をくださったかたが「これだけ沢山の作品が並んで胸がいっぱいに
なったよ」と言ってくれたとき、がらっと自分のなかの思いが
変わったのです。
思えばそれまでにも、遠く関西から打ち合わせに来て下さって
帰ったその日に参考資料をたくさん切り抜いてファイルにして送ってくれた
企画のかた、自分のことのように喜んでくれた教室の参加者のかたや友人、
作品をとても大切に思ってくれて、ちょっと違うかなぁと思いながら作った作品はずばり見抜いてしまう編集の方々。
あ、私はこの人達のために作ろう!
自分の周りの人たちがどのようなものを望んでいるか。
それが初めて本や作品に接してくださる人にも通じる答えだ。
と思ったのです。
作品が揃って撮影の段階になると、編集者さんはもちろん、デザイナーさん、
カメラマンさん、イラストレーターさんなど、本に関わるかたが一気に増え、
作品をどのように見せたら効果的かということをみんなで考えてくれることが
とても嬉しくて、なおいっそうその気持ちが強くなりました。
著者名は自分名義になっていますが、それって名ばかりでこんなに多くの人で
作っているんだなぁと実感しました。
ラフからメモから付箋までこのときのものは全て完全保存版です。
そんな思いで臨んだ本です。
先ほど、資料を改めて読んでみたと書きましたが、
当時何を書いたかは正直忘れかけていました。そして、
作るうちに変わっていった事も多いのですが、
”本の読者のかたに感じてほしいこと”の部分は
・デザインはシンプル。でもどこか変わっていて
思わず手に取ってくすっと笑ってしまう
・実用的で、使ったり、身につけたりした時のことが想像できる
・フェルト作りは自由自在にいろいろなことができる
と書いてあり、本の完成間近にプロローグの原稿として書いたこととほぼ同じだ!変わっていないことあるじゃん!
となんだか嬉しくなったのでした。
長々と語ってしまいました。
あまりこのような自分の話、読んでも面白い話ではないですが、
こんなことを書けるのも発売日ならではってことで、思うまま書いてみました。
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